会社売却のメリット・デメリット 相場や事例、従業員の処遇も解説

会社売却の方法、手続きの流れ、相場の計算方法、株式譲渡と事業譲渡の場合の違いを分かりやすく解説します。また、会社売却が従業員・経営者に与える影響も解説します。会社売却を行いたい経営者様は必見です。
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目次
  1. 会社売却とは?
  2. 会社売却の相場・企業価値算定
  3. 会社売却の方法・種類
  4. 会社売却の手続き・流れ
  5. 会社売却のメリット
  6. 会社売却のデメリット
  7. 会社売却後、社長・社員はどうなる?
  8. 会社売却を成功させる6つのポイント【売り手の経営陣必見】
  9. 会社売却の成功事例18選
  10. 売却側完全無料のM&Aマッチングサイト

会社売却とは?

会社売却とは、会社を第三者に売却することをいいます。
会社売却には代表的な手法として、会社全体を売却する
株式譲渡と、特定の事業のみを切り出して売却する事業譲渡があります。

M&A合併買収を意味しているため、買い手企業側の目線に立った言葉ですが、会社売却はM&Aを売り手の目線から見た言葉です。

経営者が会社売却を行う理由は、「大企業への傘下入りによる経営の安定化」や「主力事業への集中」、「売却利益の獲得」などさまざまです。
特に最近は、事業承継を理由に会社売却を行う中小企業が増えています。

東京商工リサーチが公開している『2020年「後継者不在率」調査』によると、2020年において後継者が決まっていない企業は57.5%もいるとのことです。[1]

後継者不足を理由に会社を廃業すると、従業員が職を失ったり、取引先が連鎖倒産したりするなど、多方面に悪影響が及びます。
そこで近年は、廃業せずに会社売却のスキームを用いることで、第三者に事業承継を行うケースが増えているのです。

会社売却には、「競業となるビジネスを一定期間行えなくなる可能性が生じる点」や「売却後もその事業に拘束される点」など、いくつかデメリットがあります。
しかし、「事業承継問題の解決」や「創業者利潤の獲得」など、得られるメリットが非常に大きいです。

会社売却では株主(≒経営陣)が変わるため、取引先や従業員に少なからず影響を与えます。
メリットとデメリット、関係者に与える影響を考慮した上で、会社売却を行うかどうかを検討しましょう。

[1] 2020年「後継者不在率」調査(東京商工リサーチ)

会社売却の相場・企業価値算定

M&Aスキーム(方法・手法)による相場の違い

会社売却では、会社全体を売却する「株式譲渡」の方が、特定の事業のみを売却する「事業譲渡」よりも売却金額が相場の金額は高くなりやすい手法であるといえます。

株式譲渡は会社全体の株式を売却するので、売買対象は「会社」になります。
一方で、事業譲渡は特定の「事業」のみを売買する取引になります。

事業が5つある会社であれば「株式譲渡」では5つの事業全てを含む会社全体が売買対象になりますが「事業譲渡」では1つの事業だけが売買対象となる場合もあります。

このようにM&Aによる売却高の相場は株式譲渡が高くなりやすい手法となります。
実際に売却価格を決めていくには価値算定を経て企業価値を評価していきます。
価値算定方法には様々な手法があり、計算方法が異なります。

推定売却価格の参考例(コストアプローチで算出した場合)

中小企業等の比較的規模が大きくないM&A取引では、コストアプローチという手法で簡易的に推定価値を算出する方法があります。
将来の経済的収益を得るために必要なコストを、無形資産(のれん)の価値とする方法です。

実際の売却価格計算例

株式譲渡と事業譲渡の場合で算出方法が異なります。

株式譲渡の場合:純資産+(営業利益+役員報酬)*2(年)

会社売却 相場(株式譲渡)

例)純資産=2,000万円、営業利益=1,000万円、役員報酬800万の場合、

推定売却価格=5,600万円

事業譲渡の場合: 事業資産+事業利益*2 (年)

会社売却 相場(事業譲渡)

例)事業資産=2,000万円、事業利益1,000万円の場合、

推定売却価格=4,000万円

となります。他には以下の算出方法があります。

マーケットアプローチ

市場で取引されている、取引対象に似た無形財産(のれん)の取引金額を調査し、評価する方法です。
代表的な手法にマルチプル法があります。

M&A 相場(マルチプル法)

インカムアプローチ

対象となる無形資産(のれん)の将来のキャッシュフロを現在価値に割り引く方法です。
代表的な手法にDCF法があります。

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会社売却の方法・種類

会社売却にも様々なスキーム(方法・手法)が存在します。
どのスキームを選択するかによって、オーナー経営者の手取り額や、かかる税金、手続きにかかる手間などが変わってきます。
ここでは代表的な会社売却の方法を紹介します。

株式譲渡での会社売却

株式譲渡

株式譲渡は会社売却の中でも最も代表的な手法です。
株式譲渡とは、売却会社の株主が主体となり、保有する株式を、第三者に売却する取引のことです。

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株式譲渡とは?メリット・手続き・契約・税金を税理士が解説

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事業譲渡での会社売却

事業譲渡

事業譲渡とは、売却企業が主体となり、売却事業のうち特定の事業について切り出して、その事業を他の企業に売却する取引のことです。

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事業譲渡とは?メリット・手続き・流れ【図解で分かる】

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会社売却にかかる税金とオーナー経営者の手取り額

M&A 税金

売却企業の経営状態によってどのスキームが最適かは異なります。

「売却会社のオーナー経営者の手取り額」を基準に比較すると、原則的には売却会社のオーナー経営者にとっては「株式譲渡」が手取り額は増える可能性が高いと考えられます。

株式譲渡の売却額への税金

例えば、株式譲渡で会社を売却した場合、課税金は全体の約20%(所得税・住民税等)となります。
株式売却価格 - 税金(約20%)がオーナー経営者の手取額となり、シンプルに金額のイメージができます。

事業譲渡の売却額への税金

一方で、事業譲渡の場合はまず売却対価が法人に入り、その時点で35%前後の法人実効税率がかかります。
更に売却対価を法人から個人に移そうとすると、20%近くの配当課税等が課されます。

ただし、売却会社に多額の欠損金がある場合には、事業売却で得た所得とその損金を相殺させることで、課税所得を低減させて法人税率を低減させる等の節税が可能です。

また、事業譲渡で得た売却益を法人に残したいという場合は、相対的に事業譲渡を選択するメリットが高まります。

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会社売却の手続き・流れ

ここでは会社売却でよく用いられる株式譲渡での一般的な手続きの流れを、売却側の立場で紹介します。

  1. 売却意思の発生
  2. 準備
  3. 相手先のソーシング・交渉
  4. 秘密保持契約の締結(NDA)
  5. 案件概要書(IMの提示)
  6. トップ面談
  7. 基本合意書の締結
  8. 買い手によるデュー・ディリジェンスの実施
  9. 売り手・買い手間の条件交渉
  10. 株式譲渡契約の締結
  11. 株式譲渡の実行(クロージング

1. 売却意思の発生

売却側企業の中で売却意思が発生します。
主な理由は「後継者の不在」「事業の選択と集中」「不採算事業の精算」「負債の返済」等です。

2. 準備

今後必要になる資料を予め準備しておくことで、スムーズに交渉が進みます。
過去三期分の決算書があれば基本合意までの交渉がスムーズに進むでしょう。

3. 相手先のソーシング・交渉

売却先となる相手を探します。
税理士や公認会計士などの専門家の他にも、地銀・信金等の金融機関、公的な窓口として全国に設置されている事業引き継ぎ支援センター、M&A仲介会社等があります。

最近では売り手側の手数料が無料のM&Aプラットフォームを利用するパターンも増えています。

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M&Aにおけるソーシングの重要性【業務内容・手順も徹底解説】

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4. 秘密保持契約の締結(NDA)

相手先が見つかった場合、交渉前に秘密保持契約を締結します。
交渉でやり取りする情報は、本来非公開の情報のため、相互に秘密保持の義務を負う契約を締結し、その後に交渉を開始します。

5. 企業概要書(IMの提示)

企業概要書(IM Information Memorandum)ではノンネームシートには記載されていない、よりハイレベルな企業情報を買い手側に伝えます。
買い手側はこの情報を元に、意向表明書などで想定価格や基本条件を売り手側に打診します。
そこでお互いに更に交渉を進める意思が確認できれば、トップ面談へと進みます。

6. トップ面談

トップ面談では、細かい条件面のすり合わせというよりも、お互いの企業文化や経営者同士の考え方を確認します。
M&Aの流れの中でも経営者同士が顔を合わせる機会は意外と少なく、重要な機会となるため、お互いに気心を交わす重要な機会となります。

7. 基本合意書の締結

ここまでの流れで基本的な条件にお互いが合意できれば、基本合意書の締結となります。

今後、お互いに多額な費用や労力をかけて企業価値の詳細な確認に入ります。
それ以前に、基本的な条件である譲渡価格や、譲渡の意向を確認するために基本合意書が結ばれます。

この時点では、買い手企業が、売り手企業の詳細な情報は把握しきれていないため、基本合意書では法的な拘束力を持たないこと(売り手・買い手ともに法的な責務や賠償なく取引を中止できる)とされるのが一般的です。

8. 買い手によるデュー・ディリジェンスの実施

基本合意書が締結された後に、買い手側によるデュー・ディリジェンスが実施されます。

デュー・ディリジェンスでは、売り手側から会計・税務・法務・事業に関する情報開示があり、それらを精査し、実態を把握し、潜在リスク等を分析します。
この分析を元にいくらで売却するか価値算定が行われます。

9. 売り手・買い手間の条件交渉

デュー・ディリジェンスの結果を元に、売り手と書いての間で、株式譲渡契約の締結に向けて条件交渉が行われます。
デュー・ディリジェンスでこれまで開示されていなかったリスク等が判明すれば、ここで譲渡価格の値下げ要求が起きることもあります。

10. 株式譲渡契約の締結

条件交渉が全て完了し、両者間で合意に至れば、株式譲渡契約が締結されます。
この契約は、基本合意書の締結とは違い、法的拘束力を持つ契約になります。

11. 株式譲渡の実行(クロージング)

株式譲渡契約が締結された後は、株式譲渡の実行(クロージング)に向けて、売り手・買い手それぞれの履行義務が課せられた事項を実施していきます。

デュー・ディリジェンスで判明したリスクを低減させるような行為や、買収資金の準備など、株式譲渡を実行するために行うべきことがあるため、実際の株式譲渡実行までに一定期間を設けるのが一般的です。
クロージングを行うための準備や条件が全てクリアになれば、株式譲渡が実行され、売り手側に譲渡代金が支払われます。

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会社売却のメリット

会社を後継者に引き継ぐことができる

後継者不在で事業を継続することが困難な局面において、会社売却という戦略を取ることで外部から後継者を探し出すことができます。

株式譲渡の場合、法人名を残して会社を第三者に引き継ぐことができます。
従業員の雇用や条件面も守ることができます。

創業者等の株主が売却利益を得られる

企業価値が第三者から評価を受けることができれば、その対価として売却利益を得ることができます。

会社を倒産から救える

会社に負債がある場合、株式譲渡であればその負債ごと譲り受けてもらうことができます。

事業譲渡の場合は、現金化できる部門のみを売却することで、負債の返済にあて、財務状況を健全にした後に、注力事業や新規事業に投資することができます。

個人保証を解除できる

経営者保証ガイドライン(中小企業庁が平成26年2月施行)を利用すれば、一定の条件下において、経営者が負担していた個人保証を解除することができます。

会社売却のデメリット

競業となるビジネスが一定期間できなくなる

M&A取引の中で競合となる事業をしないよう規定される場合があります。
事業譲渡の場合は、会社法21条で競業避止義務が明記されているため、一定区間内において、20年間は同一の事業を行ってはならない取り決めとなっています。

売却後も一定期間は事業に拘束される

とくに事業譲渡の場合、譲渡契約の実行は経営者同士の合意だけでは終わりません。

取引先や従業員など、事業に関わる全ての契約を、売却先の会社が新たに契約し直さなければなりません。
こういった関係者との調整には創業者の協力が必要不可欠となります。
そのため、事業譲渡が決定したものの、その事業にかかわる契約が多ければ多いほど、手続きが完了するまでに数年間かかる場合もあります。

また、株式譲渡であっても売却会社の事業がスムーズに引き継げるよう、会社に一定期間残ることを明記するケースがあります。

会社を売却した後の寂しさ

オーナー経営者がある程度の規模の会社をイグジット(売却)した後、寂しさを感じるという声があります。
とくに売却した経営者が会社に残らない場合この傾向が顕著に現れます。

こういった寂しさや、人生のやりがいが無くなってしまうという経営者は少なくありません。
そのために、売却利益を元に何をやるのかを並行して考えておくと、スムーズに次の人生のステップへ進めるでしょう。

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会社売却後、社長・社員はどうなる?

会社売却を行う経営者の中には、社長である自分自身や雇用している従業員がどうなるかを心配する方も少なくありません。
この章では、会社売却後に社長と社員がどうなるのかを解説します。

社長:「引退による自由な暮らしの実現」または「社長業の継続」

売り手企業の経営者が進む道は、「会社売却にともない引退し、自由な暮らしを実現する」もしくは「社長業をそのまま継続する」の2通りです。
どちらの道に進むかは、経営者個人や買い手経営陣の意向に左右されます。

たとえば後継者への事業承継を目的に会社売却した場合には、引退を選択する経営者が多い傾向にあります。
一方で事業の引き継ぎに売り手経営者のノウハウ等が必要であれば、買い手企業の意向で引き続き役員として残る可能性が高いです。

また、大手上場企業に会社売却を行うベンチャー企業の場合は、売り手の経営者が引き続き役員として残り、事業拡大を目指すケースが多いです。

ただし会社売却にともない株式を買い手企業に譲渡した場合、オーナー経営者(≒株主)ではなくなります。
交渉を通じて、買収側と経営者自身の双方にとって最適な選択肢を模索しましょう。

社員:雇用契約は維持される

会社売却(株式譲渡)を行う場合、株主が変動するだけであるため、従業員や取引先等との契約に影響はありません。

したがって、社員の雇用契約も問題なく維持されます。
ただし買い手企業の意向によって、会社売却後に社員の処遇(仕事の内容や役職など)が変更される可能性もあります。
社員が働きにくい環境に置かれないように、今後の処遇について買い手候補をすり合わせした上で会社売却しましょう。

なお、現経営者の引退にともない、自らも退職したいと考える社員が現れる可能性もあります。
この場合には、社員が退職を願い出ることで雇用契約を打ち切ることもできます。

M&A・事業承継
事業売却による社員への影響・処遇【退職金の扱いも徹底解説】

事業売却では、基本的に売り手企業から買い手企業に社員の引き継ぎが行われます。この記事では、事業売却における社員への影響や転籍後の処遇、退職金の扱い、転籍を拒否する社員への対応などを詳しく解説します。 目次事業売却とは社員 […]

会社売却を成功させる6つのポイント【売り手の経営陣必見】

会社売却は、経営者個人や従業員、取引先などの将来を左右する重要な意思決定です。

「今後の事業成長につながる相手企業への売却」や「相場と同等かそれ以上の金額での売却」であれば、会社売却は成功したと言えます。
一方で、「
シナジー効果を得られない・経営方針が合わない会社への売却」や「相場よりも低い金額での売却」だと、会社売却は失敗したと言えます。

会社売却を成功させるには、以下6つのポイントを押さえることが重要です。

  1. 業績が好調なタイミングで会社売却する
  2. 会社の価値がこれ以上下がる前に会社売却する
  3. 買い手候補からニーズがある経営資源を確保する
  4. 自社の強みを明確にする
  5. シナジー効果(相乗効果)が期待できる交渉対象を探す
  6. 自社との相性が良いM&A専門家・プラットフォームを選ぶ

この章では、売り手企業の経営陣が知っておくべき「会社売却を成功させる6つのポイント」について、具体的に解説します。

業績が好調なタイミングで会社売却する

前述したとおり会社の売買価格は、企業価値を基準に買い手との交渉によって決定されます。
そのため、売上や利益が少なかったり、事業の成長性・財務の安全性が低かったりするほど、企業価値および会社売却の価格は下がる傾向があります。

十分に事業が成長しきってから売却すると、すでに収益性や成長性などが低く、安い価格でしか会社売却できない可能性が高いです。
もしくは、買い手候補がまったく現れない可能性も考えられます。

少しでも良い条件で会社売却したいならば、業績が好調であるタイミングを選ぶことが重要です。
収益性や成長性が高いタイミングであれば、希望価格よりも高値で会社売却できたり、スムーズに買い手候補を見つけたりできるでしょう。

会社の価値がこれ以上下がる前に会社売却する

1つ目のポイントに関連して、会社の価値がこれ以上下がってしまう前に会社売却するという考え方も重要です。

たとえば前年までは業績が良くても、災害や技術革新、法改正などの影響により、わずか1年で業績が大きく悪化する可能性は十分にあります。
「去年ならば会社売却できたのに、業績が悪化したことで買い手が見つからない」という事態になってしまわないように、業績が悪化し始めたタイミングで会社を売却することも視野に入れましょう。

買い手候補からニーズがある経営資源を確保する

顧客リストや優秀な人材などを確保するまでには、膨大な時間や労力がかかります。
そのため、こうした経営資源を確保する目的で買収を行う買い手企業も多いです。
したがって、買い手からニーズがある経営資源を持っていれば、より多くの買い手候補から興味を持ってもらえます。

特に、獲得するまでに時間やコストのかかる経営資源や希少な経営資源を持っていれば、企業価値を相場よりも高く評価される可能性が高まります。
具体的には、主に以下の経営資源が該当します。[2]

  • 優秀で経験豊富な人材
  • 収益性や将来性の高い技術・ノウハウ
  • 質の高い顧客リスト(大手企業など)
  • 知的財産権(特許や商標など)
  • 業界内での高い知名度・ブランド力

少しでも高い金額で会社売却を行いたいならば、早いタイミングから上記の経営資源を確保することに努めましょう。

自社の強みを明確にする

会社売却を成功させるには、自社の強みを明確にすることも大切です。

たとえ価値のある経営資源を持っていても、その価値を買い手候補に理解してもらえなければ、満足できる条件で会社売却を行うことは困難です。
また、売り手の経営陣が自社の強みを把握していないと、買い手候補に自社の価値をアピールしにくいです。

したがって、ニーズがある経営資源を確保するだけでなく、自社がどのような強みを持っているかを客観的な視点で整理することも重要です。

競合他社よりも優れている強みや、収益性や成長性の高い自社独自の経営資源などを明確にすれば、買い手に対して的確に自社の魅力をアピールできるようになります。
その結果、高値での会社売却を実現しやすくなるでしょう。

シナジー効果(相乗効果)が期待できる交渉対象を探す

シナジー効果とは、複数の企業が1つに統合されることで、各企業が別々に事業を行っていたときの合計よりも大きな価値が生み出される効果です。
たとえばX社の売上がx、Y社の売上がyである場合、両社が統合した後の売上が「x+y」よりも大きくなれば、シナジー効果が生み出されたと言えます。

シナジー効果の創出が見込める買い手候補を選定し、相手に期待されるシナジー効果を理解してもらえれば、相場よりも高い値段で会社売却できる可能性が高くなります。
また会社売却後に事業の成長スピードが高まる効果も期待できます。

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M&Aにおけるシナジー効果の種類、分析フレームワークと事例

M&Aにおけるシナジー効果(相乗効果)とは、2社が統合することで「1+1」以上の価値が生じることを言います。シナジー効果の意味と種類、分析のためのフレームワーク、成功事例をわかりやすく解説します。 目次M& […]

自社との相性が良いM&A専門家・プラットフォームを選ぶ

会社売却では、買い手候補探しや交渉、契約書作成、バリュエーションなど、たくさんの手続きを行う必要があります。
また、実務には会計や税務、法律などの専門知識を必要とするため、売り手企業が自力で会社売却を行うのは困難を極めます。

そのため会社売却では、M&Aの専門家(仲介会社や士業など)やプラットフォームを利用することが一般的です。
ただし、M&A専門家やプラットフォームによって、サービス内容や得意分野、手数料などは異なります。

会社売却を成功させるには、依頼したい業務内容や業種、予算などをもとに、相性が良い専門家やプラットフォームを選ぶことが重要です。

たとえば運送会社を同業他社に売却したいならば、運送業界で豊富な案件やネットワークを持つ仲介会社を選ぶべきでしょう。
また、会社売却に十分な予算を割けないならば、手数料が安いプラットフォームを利用して買い手探しをするのがおすすめです。

自社との相性が良い専門家・プラットフォームを選べば、スピーディーに買い手候補を選定したり、満足いく条件で売却したりできる可能性が高くなります。

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M&Aアドバイザリーとは?業務内容、手数料、仲介会社との違い

M&Aアドバイザリーとは、M&Aの専門知識を持ち、M&Aによる利益最大化の為に助言を行う業態を指します。今回はM&Aアドバイザリーの業務内容、成約時に支払う手数料、M&A仲介会社と […]

[2] 中小M&Aガイドライン -第三者への円滑な事業引継ぎに向けて-(中小企業庁)

会社売却の成功事例18選

この章では、会社売却の成功事例を18例紹介します。
M&Aの目的や用いられた手法を解説しますので、実際に会社売却を行うときの参考にしていただけますと幸いです。

なお今回は、資本業務提携を広義の意味でのM&Aに含めて解説しています。

【システム開発】アンドールシステムサポートがソーバルに会社売却した事例

譲渡企業の概要

アンドールシステムサポートは、物流搬送設備や生産ラインなどの制御システム開発、車載システム開発などを手がける会社です。

譲り受け企業の概要

ソーバルは、組込み開発を主力事業とする会社です。

M&Aの目的・背景

買い手のソーバルは、さらなる収益拡大に向けて、事業分野の拡大と新規顧客の獲得を実現する目的で、アンドールシステムサポートとのM&Aを実施しました。

M&A手法・成約

2015年5月に実施された両社のM&Aでは、株式譲渡の手法が用いられました。
会社売却の金額は9,900万円です。[3]

M&A・事業承継
システム開発会社のM&A動向と事例30選【2021年最新版】

システム開発業界は人材不足の慢性化やクラウド化の進展により過渡期を迎えており、M&Aが活発化しています。近年のシステム開発業界の動向と、システム開発会社の最新M&A事例を厳選して30例お伝えします。 シス […]

【飲食×教育】老舗飲食店が教育事業を手がける会社に会社売却した事例

譲渡企業の概要

売り手は、年商1億円の老舗飲食店です。

譲り受け企業の概要

買い手は、年商13億円の教育事業を運営する会社です。

M&Aの目的・背景

当時売り手企業は、常連の顧客を多数抱えていましたが、後継者不足という課題を抱えていました。
そこで事業承継を実現する目的で会社売却しました。

一方で買い手企業は、少子化時代の到来に備えて、景気変動に左右されない事業を取得する目的で、異業種である売り手企業を買収しました。

M&A手法・成約

両社のM&Aは株式譲渡の手法で実施されました。
異業種であるという理由から、買い手側は売り手側から経営ノウハウと無形資産(のれん)を引き継ぐために、売り手企業の従業員を以前とまったく同じ条件で雇用したとのことです。[4]

M&A・事業承継
飲食店の居抜き売却・M&A【売却価格の相場や最新事例を解説】

飲食店の売却手法は、「居抜き売却」と「M&A」の2種類です。また、売却価格の相場は立地・規模・清潔感・財務状況で決まります。飲食店の売却について、手法やメリット、最新事例をくわしく解説します。 飲食店のM& […]

【製造×施工】計測機器の製造会社が計測機器の施工・メンテナンスを手がける会社に会社売却した事例

譲渡企業の概要

売り手となったのは、計測機器の製造を担う会社です。
売上高3,000万円、従業員数3名と、小規模な中小企業でした。

譲り受け企業の概要

買い手となったのは、計測機器の施工およびメンテナンス事業を運営する会社です。
売上高5億円と、売り手企業と比べて事業規模が大きかった点が特徴です。

M&Aの目的・背景

当時売り手企業の経営者は、75歳という年齢だったこともあり、廃業を検討していました。
しかし、廃業することで困る取引先がいたことを理由に、会社を存続させるために会社売却を行いました。

M&A手法・成約

両社のM&Aは事業譲渡によって行われました。
売り手企業には、「事業規模が小さい」、「財務状況が良くない」などの課題がありました。

しかし、熟練の技術や商圏の良さを高く評価されたことで、事業規模が大きい買い手企業への会社売却に成功しました。[5]

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製造業のM&A・売却動向や最新事例、価格相場を徹底解説

製造業のM&Aは、主に大手企業への傘下入りやIT化を目的に行われます。今回の記事では、製造業のM&A動向や最新・有名事例、メリット、相場、成功させるポイントをわかりやすく解説します。 製造業のM& […]

【Webサイト】IT情報系ウェブサイトの事業譲渡事例

譲渡企業の概要

株式会社Choiseeは、ガジェット・IT系ツールのレビューメディアの運営をしていた、宮城県にある会社です。

譲り受け企業の概要

大阪のWeb関連会社は、Webサイト制作、オウンドメディア制作・運営、システム開発などを手がけていました。
譲り受け企業
Web関連会社は運営メディアを増やすことで、事業の拡大を目指していました。

M&Aの目的・背景

メディア運営をオーナー経営者が一人で手がけていたため、個人でメディアの更新などに対応することが難しくなり、事業譲渡を検討していました。
オーナーは自分で買い手企業を探せるプラットフォームを探し、M&Aマッチングサイトに登録しました。

M&A手法・成約

譲り受け企業となったWeb関連会社は、複数メディアを運営しているところが、オーナーの希望にかない、事業の譲渡金額もオーナーが納得いくものだったことから、事業譲渡が成立しました。

成功事例
1人で運営していたIT系情報サイトの売却益を、新規事業の準備資金に。交渉から契約までリモートで完結【M&A事例】

宮城県仙台市に拠点を置く、株式会社Choisee。2016年から運営していたIT系コンテンツを配信するオウンドメディアをリモート交渉で大阪の企業に売却し、現在はホームページ制作やWeb集客コンサルティングなどの新規事業に […]

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サイト売却を成功させるには?相場や売却方法、注意点について解説

サイト売却とは、Webサイトを売買することをいいます。最近ではサイト売却専門のマッチングサイトを活用した成約事例も多く、その手軽さから多くのサイト管理者から注目されています。今回はサイト売却の方法・相場・注意点を解説しま […]

【運送×物流】ドライバーや社員、お客様の関係性も継承 取引先と運命の再開

譲渡企業の概要

有限会社東航は、陸路での運送業を営む東京都の会社です。

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TRUTH LOGISTICS 株式会社は海上・航空輸送、通関ロジスティクスサービスを展開する東京都の会社です。

M&Aの目的・背景

譲渡側の有限会社東航代表の鶴田和夫氏は70歳を目前に引退を考えていました。
ゴルフ仲間から「後継者がいないならM&Aによる譲渡を検討したほうがいい」と言われるようになりました。

ドライバーや社員も代表の鶴田氏がひとり採用してきたこともあり、お客様や協力会社、社員を守って関係性を継続させたいと思うようになり、M&Aによる譲渡の検討を始めました。

譲り受け側のTRUTH LOGISTICS株式会社の代表青山氏は、海上・航空輸送、通関ロジスティクスサービスを展開していますが、陸路の運送事業は持っていませんでした。
だから運送会社をM&Aすることで会社をより成長させたいと考えていました。

M&A手法・成約

株式譲渡での成約となります。譲り受け側の青山氏がM&Aについての情報収集を始めたところ、偶然見つけたのがビズリーチ・サクシードでした。

興味を持った会社に連絡をして情報開示してもらったら実は取引先である東航様でした。
実は東航様は8年前から付き合いのある取引先なので、大変驚かれたとのことです。
鶴田氏はトラックを手配したこともあったし、社員も面識があり、とてもご縁を感じられたとのことです。

その後は食事会等を重ね、経営統合後のスタイルや事業のあり方などを話され、合意に至りました。
譲渡側オーナーの鶴田氏は、社員の不安を取り除き、スムーズに引き継げたことを見届けたら引退されるとのことです。

これまでも、週末はウィンドサーフィンや素潜りに出かけ、冬はスキー、天気がいい日はゴルフが趣味とのことで、引退後好きなだけ趣味に打ち込むことができるととても楽しみにされていました。

成功事例
この“ご縁”は偶然か必然か。インターネットが繋いだ運命的なM&Aとは【M&A事例】

海上・航空輸送、通関ロジスティクスサービスを展開するTRUTH LOGISTICSの代表・青山誠公氏は、より事業を成長させるためにM&Aを検討し、ビズリーチ・サクシードに登録。そこで出会ったのは、陸路での運送業を営む有限 […]

M&A・事業承継
運送業の売却相場はどのくらい?M&A事例や仲介会社も紹介

事業譲渡における運送業の売却相場は、「事業資産+事業利益の2〜5年分」です。そんな運送業の売却には、経営基盤の強化や事業承継の実現などのメリットがあります。今回は、運送業の現状、売却相場の出し方、事例を詳しく解説します。 […]

【旅館×写真館】伊豆の温泉旅館を茨城の写真館に事業を売却した事例

譲渡企業の概要

静岡・伊豆の温泉旅館「桐のかほり 咲楽」様です。

譲り受け企業の概要

茨城県の「小野写真館」様です。

M&Aの目的・背景

経営者の高齢化に伴う後継者不在で、外部からの後継者を探すため。
咲楽の経営者萩原様は、二人の息子のうち次男夫婦と同居していました。
65歳を過ぎたあたりから後を譲りたいという話を続けて来ました。

しかし、旅館という業態のため、子供との時間を取れない思いを自分の子供にはさせたくないとの思いから、咲楽の思いや価値観を引き継いでくれる人になら後を継いでほしいと考えるようになりました。

また、譲り受け企業の小野様は、旅館のロケーションや4部屋での高級旅館体験を見て、「写真x旅館」でwithコロナ時代の新しい結婚式のあり方を思い描き、シナジー効果を見出していきました。

M&A手法・成約

事業譲渡です。
譲渡企業の「桐のかほり 咲楽」様は金融機関2社、商工会議所、M&A仲介会社1社と、複数に依頼・相談。

その結果、M&A仲介会社がビズリーチ・サクシード経由で小野写真館を紹介し成約に至りました。
成約に至るまでの経緯やこれから期待するシナジー効果は下記の記事で詳しく紹介しております。

成功事例
写真館と予約の取れない小規模旅館のM&A そこにはコロナを乗り越えるシナジーがあった【M&A事例】

茨城県の株式会社小野写真館は、事業の核となるフォトスタジオから始まり、結婚式場運営のブライダル事業などで順調に業績を拡大してきました。しかしそこにコロナが襲い、会社の未来を再検討することを迫られます。その可能性のひとつと […]

【飲食店】本場インド料理店サムラートが、ゴーゴーカレーに事業を売却した事例

譲渡企業の概要

有限会社スニタトレーディング 様
約40年の歴史を持ち、国内7店舗を展開する「本場インド料理店サムラート」を運営されていました。

譲り受け企業の概要

株式会社ゴーゴーカレーグループ 様
「美味しいカレーを世の中に広め、世界を元気にする事」をミッションに、国内外での店舗拡大や販路拡大、事業譲受によるブランド拡大を精力的に行なわれています。

M&Aの目的・背景

譲渡側の経営者サムラ様は、4年前にサムラートを引き継ぎました。
大きな負債がありましたが、20年もお付き合いがある前オーナーから「会社を任せたい」という話をもらったので引き継ぐことに。

その工場は、家でもサムラートの味を楽しんでもらいたいと前オーナーが始めたもので、手作りの味をスーパーやデパートなどに卸していました。
しかし、なかなか利益を出せず、工場を手放そうと考えたのです

M&A手法・成約

今回は、ゴーゴーカレー様の、ビズリーチ・サクシードでの公募 をきっかけに、事業譲渡が決まり、「本場インド料理店サムラート」の工場を売却することになりました。

この工場の特徴は、イスラム法で食べることの許された“ハラール料理”を作ることができることです。
このM&Aをきっかけに、ゴーゴーカレーグループとサムラートブランド共に大きなシナジー効果を見込んでいるとのことです。

サムラートの工場は、ゴーゴーカレーグループが世界展開していく上で必ず必要になるハラール料理が作れることから、魅力を感じられて成約に至ったとのことです。

成功事例
1+1=100になるM&A。パートナーを組むことで鮮明になった世界展開【M&A事例】

「美味しいカレーを世の中に広め、世界を元気にする事」をミッションに、国内外での店舗拡大や販路拡大、事業譲受によるブランド拡大を精力的に行なっているゴーゴーカレー。 今回は、ビズリーチ・サクシードでの公募 をきっかけに、約 […]

M&A・事業承継
店舗売却するには?居抜きの方法から相場、費用、税金まで解説

店舗売却には居抜きやM&Aなどの方法があり、それぞれに注意すべきポイントがあります。店舗売却の相場・売却価格・諸費用、かかる税金、基本的な流れまで、全てわかりやすく解説します。 目次店舗売却の一般的な方法は「居抜 […]

【Webサービス】CtoCプラットフォーム「TORIP」の事業譲渡

譲渡企業の概要

株式会社LIGは東京・上野のWeb制作会社で、サイト制作や自社メディアやコンテンツの制作、地方創生事業、シェアオフィス、英会話スクールなど多様な事業を展開しています。

譲り受け企業の概要

埼玉県のIT企業です。

M&Aの目的・背景

LIGは事業者や個人と、旅行者をマッチングするCtoC(個人間)プラットフォーム「TRIP」を運営していました。
全国各地の遊びや観光商品を売買できるサービスでしたが、事業を伸ばす担当者が不在であったため、事業売却の道を選びました。

M&A手法・成約

事業譲渡です。
LIGは、M&Aマッチングサイトを介して、譲渡の候補先となった埼玉県のIT企業に事業を譲渡しました。

売却にあたり、LIGのCTOが一定期間、サービスの運営を支援するコンサルティング契約を締結。
LIGによる保守運用の提案も、譲り受け企業が受け入れました。

成功事例
すぐ譲渡を考えていない企業も“活用しない理由は無い”。ビズリーチ・サクシードで事業の価値を把握し、譲渡に成功。【M&A事例】

Webサイト制作をはじめ、自社メディアやコンテンツ制作、地方創生事業、シェアオフィス、英会話スクールなど多角的な事業展開をしている株式会社LIG。 今回、そのなかでアクティビティ(観光商品等)を売買するCtoCサービスを […]

【警備事業×人材サービス】インターネットだからこそ実現したスピードマッチング

譲渡企業の概要

株式会社ライフ・コーポレーション様は、愛知県にて主に施設常駐警備事業を展開し、多くの顧客に高品質のサービスを提供している会社です。

譲り受け企業の概要

株式会社日輪は、製造・物流・技術・事務 など様々な分野への人材派遣から業務請負までをサポートする人材サービス会社です。

M&Aの目的・背景

経営者の高齢化・後継者人材不足のため、外部で事業運営できる後継者を探すため。

M&A手法・成約

株式譲渡です。
M&Aマッチングサイトを介して、インターネットならではのスピードで、最初のメッセージから一ヶ月でM&A成約に至りました。

M&A・事業承継
人材派遣会社の売却・M&A事例11選【2021年最新版】

人材派遣事業を売却して大手企業の傘下に入れば、安定的な人材確保や事業運営が可能となります。 また、事業承継の実現や売却利益を得られることもメリットです。今回の記事では、人材派遣事業の売却相場や事例を分かりやすく解説します […]

【製薬×投資ファンド】武田薬品工業がブラックストーングループに子会社を売却した事例

譲渡企業の概要

売り手の武田薬品工業は、がん、気象遺伝子疾患・血液疾患、神経精神疾患、消化器系疾患という4つの疾患領域の研究開発に重点的に取り組んでいる製薬会社です。

今回売却対象となった武田コンシューマーヘルスケアは、武田薬品工業のコンシューマーヘルスケア事業を担っていた会社です。
具体的には、日本初のビタミンB1製剤である「アリナミン」や総合感冒薬である「ベンザ」などを提供していました。

譲り受け企業の概要

ブラックストーンは、アメリカにある投資ファンド運用会社です。
世界的に資産運用や金融顧問サービスを提供していることで有名です。[6]

M&Aの目的・背景

武田薬品工業は2017年4月から、武田コンシューマーヘルスケアを設立し、同社事業を開始しました。
しかし近年は、コンシューマーヘルスケア市場の競争が激化しており、市場への即応性を高めることが不可欠となっています。

そこで武田薬品工業は、子会社事業のさらなる発展を実現するために、ヘルスケア分野に対して豊富な投資実績を持つブラックストーンのグループ会社に子会社を売却しました。
本件の会社売却後、ブラックストーンは前経営陣と協力して事業の成長を目指すとのことです。[7]

M&A手法・成約

2021年3月31日、武田薬品工業は子会社株式のすべてを譲渡することで、会社売却を実施しました。

最終的な会社売却の金額は、企業価値2,420億円に準有利子負債や運転資本などに関する調整を実施した上で確定されます。
現時点では、およそ2,300億円となる見込みです。

また本件の会社売却により、売り手側におよそ1,400億円の株式売却益が発生するとのことです。[8]

【再生医療×製薬】オリンパスがロート製薬に子会社を売却した事例

譲渡企業の概要

売却対象となったのは、大手電子機器メーカーであるオリンパスの子会社として、再生医療技術の開発を行うオリンパスRMSです。
具体的には、自家培養軟骨細胞の移植による治療法に関して、研究開発を行っています。

譲り受け企業の概要

買い手は、医薬品や機能性食品などの製造及び販売を手がけるロート製薬です。

M&Aの目的・背景

売り手のオリンパスは、子会社のさらなる成長の加速を実現する目的で、再生医療事業を主力事業のひとつとしているロート製薬に子会社の株式を売却しました。[9]
一方で買い手のロート製薬は、自社の開発ポートフォリオに整形外科領域を追加し、再生医療事業の成長を加速させることを目的に、オリンパスRMSを買収しました。

本件の会社売却により、ロート製薬は「細胞製造コストの低減」などのシナジー効果が期待できるとしています。

M&A手法・成約

2021年3月に実施された会社売却では、株式譲渡の手法が用いられました。
具体的には、オリンパスが子会社株式のすべてを譲渡し、オリンパスRMSはロート製薬の子会社となりました。
会社売却の金額は明らかにされていません。[10]

【Webメディア×広告】motoがログリーに会社売却した事例

譲渡企業の概要

売り手は、転職メディアサイト「転職アンテナ」を運営するmoto株式会社です。

譲り受け企業の概要

買い手は、ネイティブ広告プラットフォーム「LOGLY lift」の運営を主力事業とするログリーです。

M&Aの目的・背景

ログリーは、転職サービス市場への広告配信ジャンルの拡大を目的に、motoとのM&Aを実施しました。
今回の会社売却では、ログリーが培った「広告配信・ビッグデータ解析の技術力」およびmotoが蓄積してきた「転職者のデータ」が組み合わさることで、新しい事業創出が可能となりました。

なお会社売却後も、売り手企業の経営者が引き続き事業の推進に努めるとのことです。

M&A手法・成約

2021年4月に行われた本件の会社売却では、株式譲渡の手法が活用されました。
売り手企業は、全株式を売却することで、ログリーの子会社となりました。
会社売却の金額は7億円。

売却利益とは別に、最大3億円のアーンアウトによる成功報酬も設定されています。[11]

M&A・事業承継
Webメディア売却の事例や相場を徹底解説【2021年最新版】

Webメディア売却の市場は近年拡大しており、さまざまな種類・規模のメディアが売買されています。Webメディア売却の動向や最新事例、メリット、売却金額の相場などをくわしく解説します。 目次Webメディアの売却動向Webメデ […]

【IT】ZOZOがZホールディングスに株式の一部を売却した事例

譲渡企業の概要

ZOZOは、ファッションECサイト「ZOZOTOWN」の運営を行っています。
また、前澤氏が創業したことでも有名な会社です。

譲り受け企業の概要

買い手は、先ほどの事例で取り上げたZホールディングスです。

M&Aの目的・背景

売り手側は、事業のさらなる成長・拡大を目的に、Zホールディングスへの会社売却を実施しました。
Zホールディングスが有するユーザー層、およびソフトバンクやPayPayのユーザー層の誘導が可能となり、サービスの購入者や会員数の拡大、利益の向上効果が見込めるとのことです。

一方で買い手側は、今後さらなる市場の成長が見込めるeコマース事業を強化する目的で、eコマース事業を行うZOZOとのM&Aを実施しました。[12]

M&A手法・成約

2019年11月に行われた本件M&Aでは、公開買付けのスキームが用いられました。
公開買付けを通じて、ZOZOは発行済株式の50.1%をZホールディングスに売却しました。
株式の売却額は約4,007億円です。[13]

【物流】東芝がSBSホールディングスに子会社株式の一部を売却した事例

譲渡企業の概要

売却対象となった東芝ロジスティクスは、東芝の子会社として、荷役や運送、倉庫運営、物流戦略の企画および推進事業を行なっていた会社です。

譲り受け企業の概要

SBSホールディングスは、3PLサービスを主力事業とする企業です。

M&Aの目的・背景

東芝は、SBSグループが有する経営資源を活用し、物流事業のさらなる発展を目指す目的で子会社株式の一部を売却しました。

一方でSBSホールディングスは、東芝ロジスティクスが有するノウハウの獲得やサービスラインナップの拡充、海外ネットワークの強化を図る目的で買収を実行しました。[14]

M&A手法・成約

2020年11月、東芝は株式譲渡の手法を用いて、SBSホールディングスに対して株式の66.6%を売却しました。
株式の売却額は、199億8,000万円にのぼります。[15]

【製造×投資ファンド】三井E&Sホールディングスがベインキャピタルに子会社株式を売却した事例

譲渡企業の概要

売却対象となった昭和飛行機工業は、三井E&Sホールディングスの子会社として、航空機部品等の製造・販売や、不動産賃貸事業、レジャー事業などを運営する会社です。

譲り受け企業の概要

ベインキャピタルは、アメリカの大手投資ファンドです。

M&Aの目的・背景

当時の三井E&Sホールディングスは、業績の悪化が原因で、事業再生を目的とした人員の配置転換や事業および資産の売却を余儀なくされていました。
本件の会社売却も、事業再生を目的としたリストラの一環として実施されました。[16][17]

M&A手法・成約

2020年3月、ベインキャピタルによるTOBを通じて、三井E&Sホールディングスは昭和飛行機工業の会社売却を実施しました。
具体的に三井E&Sホールディングスは、保有する子会社株式のすべてを買い手に譲渡しました。

ベインキャピタルの実質的な取得金額は、特別配当を含めておよそ830億円〜850億円です。[18]

【IT×金融】ソラコムがKDDIに株式の一部を売却した事例

譲渡企業の概要

売り手は、通信プラットフォーム「SORACOM」を運営するソラコムです。

譲り受け企業の概要

買い手は、携帯電話の通信サービス(au)を展開するKDDIです。

M&Aの目的・背景

IoTプラットフォームの構築を推進するために、KDDIはソラコムとのM&Aを行いました。

M&A手法・成約

2017年8月にソラコムは、株式譲渡の手法でKDDIに対する会社売却を行いました。
このM&Aにより、ソラコムはKDDIの子会社となりました。[19]

KDDIの発表によると、買収金額は200億円に近い金額とのことです。[20]

M&A・事業承継
金融業界のM&A・売却動向と事例【2021年最新版】

金融業界では、業界再編やIT技術の取得に向けてM&Aを行うケースが増えています。今回の記事では、2021年現在における金融業界の最新M&A動向・事例をわかりやすく解説します。 金融業のM&A・売却 […]

【IT】delyがヤフーに株式の一部を売却した事例

譲渡企業の概要

売り手は、レシピ動画サイト「クラシル」のサービスを展開するdelyです。

譲り受け企業の概要

買い手は、Eコマースやインターネット広告などの事業を展開するヤフーです。

M&Aの目的・背景

両社のシナジーを創出し、食の領域における競争優位性を強化する目的で、両社はM&Aを実施しました。

M&A手法・成約

2018年7月、delyはヤフーに一部の株式を譲渡し、会社売却を行いました。

売買価格はおよそ93億円。
直近の事業年度まで営業損益が赤字だったものの、利用者数の増加やシナジー効果などを加味してバリュエーションが行われたことで、高値での会社売却となりました。[21]

【IT×金融】コインチェックがマネックスグループに会社売却した事例

譲渡企業の概要

売り手は、仮想通貨の交換業を手がけるコインチェックです。

譲り受け企業の概要

買い手は、証券をはじめとした金融サービスを展開するマネックスグループです。

M&Aの目的・背景

マネックスグループは、仮想通貨交換業への本格的な参入を目的にコインチェックとのM&Aを行いました。

M&A手法・成約

2018年4月、コインチェックは株式譲渡のスキームを用いて、マネックスグループに対する会社売却を行いました。
株式の売却額は36億円。
売り手側の純資産額を基準に算出されたとのことです。[22]

[3] アンドールシステムサポート株式会社の株式取得(子会社化)に関するお知らせ(ソーバル)
[4] M&A事例集(東京商工リサーチ)
[5] 中小M&Aハンドブック(経済産業省)
[6] ブラックストーン・グループ【BX】:企業情報/株価(Yahoo!ファイナンス)
[7] 武田コンシューマーヘルスケア株式会社株式のBlackstoneへの譲渡について(武田薬品工業)
[8] 武田コンシューマーヘルスケア株式会社株式のBlackstoneへの譲渡完了について(武田薬品工業)
[9] オリンパス RMS 株式会社の譲渡について(オリンパス)
[10] オリンパスRMS株式会社の株式の取得(譲渡契約)に関するお知らせ(ロート製薬)
[11] moto 株式会社の株式の取得(子会社化)に関するお知らせ(ログリー)
[12] 株式会社 ZOZO 株式(証券コード 3092)に対する 公開買付けの開始に関するお知らせ(ヤフー)
[13] 株式会社ZOZO株式(証券コード 3092)に対する公開買付けの結果及び子会社の異動に関するお知らせ(Zホールディングス)
[14] 東芝グループの物流事業の譲渡・譲受に関する合意について(東芝)
[15] 東芝ロジスティクス株式会社株式の一部取得完了及び商号変更に関するお知らせ(SBSホールディングス)
[16] 子会社株式に対する公開買付けに係る応募契約の締結に関するお知らせ(三井E&S ホールディングス)
[17] 三井E&S、昭和飛行機を455億円でベインに売却(日本経済新聞)
[18] 昭和飛行機、ベインのTOBが成立 三井E&Sが売却(日本経済新聞)
[19] フェイスブック、インスタグラムの買収完了 独立事業としてサービス継続(日本経済新聞)
[20] 株式会社ソラコムの子会社化について(KDDI)
[21] dely株式会社の連結子会社化に関するお知らせ(ヤフー)
[22] 株式取得によるコインチェック株式会社の完全子会社化に関するお知らせ(マネックスグループ)

M&A・事業承継
M&A成功事例40選 大企業・中小企業・業界別|2021年版

今回は大企業・中小企業別、業界別に厳選したM&A事例40選を紹介します。国内・海外の大企業事例から中小企業事例まで、譲渡・譲り受け企業の概要、M&Aの目的・M&A手法、成約に至るまでを解説します。 […]

売却側完全無料のM&Aマッチングサイト

ビズリーチ・サクシード」は売り手企業完全無料のM&Aマッチングサイトです。

会社売却を希望する譲渡企業がと譲り受け企業を直接探せるサービスです。
オンライン上でつなぐ事業承継M&Aプラットフォームです。

譲渡企業は、ビズリーチ・サクシードに、会社や事業の概要を匿名で登録でき、譲り受け企業は、その情報を検索して閲覧できます。
これにより、譲渡企業は経営の選択肢の一つとして事業承継M&Aを早期から検討できるため、経営者の選択肢が広がります。

譲渡企業は、登録から案件成約時まで、本プラットフォームの利用料は完全無料です。
そのため、コストを気にせず、企業や事業の譲渡を安心して検討できます。

2017年11月下旬にサービスを開始し、2021年2月現在、全国の譲渡案件が累計7,700件以上(公開中3,000件以上)登録され、累計譲り受け企業は6,600社以上です。
事業承継M&Aプラットフォームにおいて日本最大級の譲渡案件数となっています。

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