アウトソーシング業界のM&A動向と事例【2021年最新】

現代のアウトソーシングはBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)として発展しており、M&Aも盛んに行われています。アウトソーシング業の業界動向とM&A動向、近年のM&A事例をくわしく解説します。(執筆者:京都大学文学部卒の企業法務・金融専門ライター 相良義勝)

アウトソーシング M&A(FV)

目次
  1. アウトソーシング業の業界動向とM&A動向
  2. アウトソーシング業のM&A事例
  3. まとめ

アウトソーシング業の業界動向とM&A動向

アウトソーシング業界の動向

「アウトソーシング」から「BPO」へ

従来、アウトソーシングといえば一定の業務・ポストを代行するビジネスを指すのが普通でした。
業務の企画・設計はアウトソーシングを依頼する側(依託元)が行い、それに従ってアウトソーシング企業(受託側)の人材が業務を遂行するという形です。

一方、近年では「労務管理」「人材採用」「インサイドセールス」「情報システム運営」といった1つの業務プロセス全体をアウトソーシングの対象とし、プロセスの企画・設計から実施・保守までをアウトソーシング企業に委託する、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)が一般化しています。

BPOにおいては、事業の中核をなす業務プロセスや独自性・強みのある業務プロセスは除外し、それ以外のプロセス(汎用的なプロセスや弱みを抱えているプロセス)を外部に委託するのが一般的です。

これにより、経営資源を主要業務に集中したり、弱みを補ったり、業務上の無駄を削減したり、グループ企業間の連携を円滑化したりすることが可能になります。
また、安価な労働力を求めて海外企業のBPOサービスを利用する動きも広まっています。

BPOは、単にリソース不足を補ったり経費を削減したりするためのアウトソーシングというよりも、ビジネスプロセス全体を効率化・最適化するための戦略的なアウトソーシングのあり方だと言うことができます。

今やBPOはアウトソーシング業界で中心的な位置を占めるようになり、BPOという言葉はアウトソーシング全般を指す言葉として使われるようにもなっています。

アウトソーシング・BPO市場の推移

ビジネスのグローバル化や変革サイクルの高速化、DXの進展、少子高齢化に伴う労働人口減少や人材不足、労働形態柔軟化・テレワーク拡大などを背景として、アウトソーシング・BPOの市場規模は年円拡大しており、今後も堅調な成長が続くと予想されています(下図)。

アウトソーシング 業界出典:BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)市場に関する調査を実施(2020年)(矢野経済研究所)

RPAとアウトソーシング業界

AIの進展とともに、これまで人間が担当してきた業務をコンピュータ上の「ロボット(仮想的な知的労働者)」に肩代わりさせるRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)というサービスが拡大していますが、RPAを利用することも広い意味ではアウトソーシングと言えます。

RPAの拡大は、「人材」を中心とする通常のアウトソーシング業の市場を奪うという側面があるものの、その影響は今のところ大きくありません。
AIやロボットの活用が今後拡大していくことは間違いなく、アウトソーシング業界としても、人と機械の協働によって成り立つ新しいサービス形態を模索しているところです。

アウトソーシング業のM&A動向

企業のアウトソーシングへの投資が拡大するなか、アウトソーシング企業が関係するM&Aも活況を呈しています。

アウトソーシング企業同士のM&A

アウトソーシングの対象となる分野はビジネスの全分野にわたっており、アウトソーシングに対する企業のニーズも多様化しています。

アウトソーシング企業としては、多様な人材を活用しつつ、様々な企業・業種に対するサービス提供を通して得られたデータ・ノウハウを蓄積してサービスの品質と価値を高めていくことが、競争力向上のための大きな鍵となります。

しあがって、アウトソーシング企業同士のM&Aにおいては、自社とは異なる分野に強みを持つ企業を統合し、サービス提供範囲の拡大と受注増加、人材力強化、データ・ノウハウの増強を図ろうとする動きが盛んです。

また、海外を含めた他地域の同業者を買収して拠点を拡大しようとする動きも活発です。
拠点の地理的な拡大には以下のような目的・メリットがあります。

  • サービス提供地域の拡張・シェア拡大
  • 採用力の強化
  • 災害・パンデミック・情報セキュリティ事故などの危機発生時でも事業継続が可能な体制の構築
  • 海外拠点の活用による経費削減

アウトソーシング業と他業種のM&A

アウトソーシング企業が買い手なるM&Aでは、人材獲得・採用力強化を目的とした人材紹介会社の買収や、RPA・ロボティクス事業の取り込みを目的とした開発企業の買収などの動きが代表的です。

アウトソーシング企業が売り手となるケースでは、一般企業がアウトソーシング・BPO事業への新規進出を目的として買収を行う例や、RPA開発企業が販路拡大やグループとしてのサービス向上を目指してアウトソーシング企業を買収する例などが見られます。

また、アウトソーシング企業を買収して自社グループ内に取り込むことで、開発・製造から販売・アフターサービスまで包含するワンストップ体制を構築したり、製品のライフサイクルマネジメントを強化したりする動きも盛んです。

一見これはアウトソーシングの活用とはまったく逆の動きのようですが、グループ全体の業務プロセスを最適化するという点で、BPOの考え方と軌を一にするものであると言えます。

M&A・事業承継
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アウトソーシング業のM&A事例

アウトソーシング M&A 事例

【アウトソーシング×アウトソーシング】リスモン・マッスル・データがシップスを完全子会社化

譲渡企業の概要

シップスは大手生命保険会社・損害保険会社などを対象にデータ入力・加工やオンデマンド印刷、事務代行などのBPOサービスを展開している企業です。[1] 

譲り受け企業の概要

リスモン・マッスル・データはアナログ情報のデジタル化を中心としたBPO事業を展開する企業です。
親会社リスクモンスターの与信管理事業との連携や、グループ内の間接業務の効率化、海外進出・新規事業開拓のための基盤構築などの役目も担っています。[1]

M&Aの目的・背景

コロナ禍でテレワークが拡大し、紙媒体情報のデータ化などの需要が高まるなか、アウトソーシングサービスのキャパシティと提供範囲を拡大して受注増加を図り、独自データベースの強化を実現することを目的として、リスモン・マッスル・データによるシップスの子会社化が行われることになりました。[1]

M&Aの手法・成約

2021年9月、リスモン・マッスル・データがシップスの全株式を取得し同社を完全子会社化することが決定されました。
同月中に譲渡が実行される予定です。[1]

【アウトソーシング×アウトソーシング】トゥルージオがノーザンライツを子会社化(のち両社は合併)

譲渡企業の概要

ノーザンライツはインターネットリサーチなどのBPOサービスを展開していた企業です。[2]

譲り受け企業の概要

トゥルージオはインターネットリサーチやメディア運用、RPAソリューションなどのBPOサービスを展開していた企業です[2]

M&Aの目的・背景

トゥルージオはノーザンライツの親会社であるリアルワールドと資本提携を結んでいましたが、リアルワールドは選択と集中のためにノーザンライツの株式をトゥルージオに譲渡することを決め[3]、資本提携は解消されました。[2]

その後、人材リソース・ノウハウの統合により既存事業を拡大し、人とRPA・AIの協働に基づく高度なサービスを展開していくことを目的として、トゥルージオとノーザンライツは合併しました。[4]

M&Aの手法・成約

2019年9月、トゥルージオはリアルワールドからノーザンライツの発行済株式の66.7%を取得し同社を子会社化しました。
取得対価は1億2,000万円です。[2]

2021年4月、トゥルージオとノーザンライツが合併し、フォリウムが設立されました。[5]

【アウトソーシング×アウトソーシング】インバウンドテックがシー・ワイ・サポートを完全子会社化

譲渡企業の概要

シー・ワイ・サポートは岩手県花巻市を拠点にコールセンターサービスやマーケティングリサーチなどのBPO事業を展開している企業です。[6]

譲り受け企業の概要

インバウンドテックは東京都を拠点に多言語対応コンタクトセンターや通訳ソリューション、営業アウトソーシングなどの事業を展開している企業です。[7]

M&Aの目的・背景

インバウンドテックは、災害などの緊急事態下でも事業継続を可能にする体制を構築するとともに、人材強化を図ることなどを目的として、今回のM&Aを行いました。[6]

M&Aの手法・成約

2021年4月、インバウンドテックはシー・ワイ・サポートの全株式を取得して同社を完全子会社化しました。
取得対価は約9,300万円です。[8]

【アウトソーシング×ロボティクス】アウトソーシングテクノロジーがスマートロボティクスを子会社化

譲渡企業の概要

スマートロボティクスはロボット・ドローン・IoT機器の開発・販売やロボット技術導入コンサルティングなどの事業を展開している企業です。[9]

譲り受け企業の概要

アウトソーシングテクノロジーはRPAなどのテクノロジーを活用した人材派遣・人材育成事業とイノベーション支援事業を展開している企業です。[10]

M&Aの目的・背景

アウトソーシングテクノロジーの全国的なネットワークを通してスマートロボティクスのロボット技術の販路を拡大し、事業を加速させることなどを目的としています。[11] 

M&Aの手法・成約

2020年1月、アウトソーシングテクノロジーはスマートロボティクスの株式を取得して同社を子会社化しました。
株式保有比率などは公表されていません。

【アウトソーシング×人材紹介】アウトソーシングテクノロジーがDYMと資本業務提携

譲渡企業の概要

DYMは人材紹介やWebプロモーションなどの事業を展開している企業です。
SNSなどを活用した若手人材の集客を強みとし、都市圏以外の地方も含む全国32箇所で採用イベントを開催するなどしています。[12]

譲り受け企業の概要

アウトソーシングテクノロジーはテクノロジーを活用した人材派遣・人材育成事業などを展開している企業です。[10]

M&Aの目的・背景

DYMの強みである若手人材の集客力とアウトソーシングテクノロジーの強みであるエンジニア育成力を掛けあわせ、サービス向上を図ることを目的としています。

また、アウトソーシングテクノロジーは東京・大阪・名古屋の三大都市圏を中心に採用活動を行ってきましたが、DYMとの提携により北陸・中国・九州での採用が強化されるものと期待されています。[12]

M&Aの手法・成約

2020年2月、アウトソーシングテクノロジーとDYMの間で資本業務提携契約が締結されました。
出資の金額・比率などは公表されていません。

M&A・事業承継
人材派遣会社の売却・M&A事例11選【2021年最新版】

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【小売・製造×アウトソーシング】アシードホールディングスがロジックイノベーションを完全子会社化

譲渡企業の概要

ロジックイノベーションは物流アウトソーシングなどの事業を展開している企業です。[13]

譲り受け企業の概要

アシードホールディングスは自動販売機による飲料・食品の販売や清涼飲料水・酒類の製造販売を展開している企業グループの持株会社です。[14]

M&Aの目的・背景

アシードホールディングスは物流センターを創設してグループ内の商品保管だけでなく委託物品の保管を行う事業を開始しており、物流サービス事業の付加価値向上を目的として今回のM&Aを行いました。[13]

M&Aの手法・成約

2021年7月、アシードホールディングスはロジックイノベーションの全株式を取得して同社を完全子会社化しました。[13]

M&A・事業承継
製造業のM&A・売却動向や最新事例、価格相場を徹底解説

製造業のM&Aは、主に大手企業への傘下入りやIT化を目的に行われます。今回の記事では、製造業のM&A動向や最新・有名事例、メリット、相場、成功させるポイントをわかりやすく解説します。(中小企業診断士 鈴木 […]

【リース×アウトソーシング】芙蓉総合リースがメリービズによる第三者割当増資を引受け

譲渡企業の概要

メリービズは経理事務受託サービス「バーチャル経理アシスタント」などの事業を展開している企業です。[15]

譲り受け企業の概要

芙蓉総合リースは提案型のソリューションビジネスを強みとする大手総合リース会社です。[15]

M&Aの目的・背景

芙蓉総合リースは中期経営計画においてM&A・資本業務提携を通した新規事業創出とビジネス領域の拡大を戦略として掲げており、2019年にはBPO事業分野を立ち上げ、数社の子会社化を通してサービスラインナップを拡充してきました。

今回のM&Aはその一貫として行われたもので、出資を通してメリービズのサービス品質向上・組織体制強化を支援するとともに、メリービズのクラウドサービスとの連携により芙蓉総合リースのBPO事業を拡大することを目的としています。[15]

M&Aの手法・成約

2019年11月、芙蓉総合リースはメリービズによる第三者割当増資を引受け、同社を持分法適用関連会社化しました。[15]

【ITサービス×アウトソーシング】日本PCサービスがミナソルを完全子会社化

譲渡企業の概要

ミナソルはアウトバウンド(企業から顧客への発信)に特化したコールセンター事業などを展開している企業です。[16]

譲り受け企業の概要

日本PCサービスグループは、PC・モバイル端末の設定・トラブルに関する駆けつけサポート事業やインバウンド・コールセンター事業、ITソリューション事業、スマートフォン修理事業、通信回線提供事業などを展開している企業です。[16]

M&Aの目的・背景

日本PCサービスはこれまでプル型の提案・サービスを得意としてきましたが、ミナソルのアウトバンドコールセンター事業を取り込むことで、既存顧客からのニーズ引き出しとプッシュ型のサービス提案、新規顧客層の積極的な拡大などを実現していく予定です。[16]

M&Aの手法・成約

2021年8月、日本PCサービスはミナソルの全株式を取得して同社を完全子会社化しました。[16]

M&A・事業承継
【2021年最新版】IT業界のM&A事例56選

IT業界における厳選した56例のM&Aについて、「2021年の最新事例」や「システム開発分野」などのジャンルに分けて解説します。 事例では売り手・買い手企業の特徴やM&Aの手法、売買価格を紹介します。(中 […]

【建物管理×アウトソーシング】日本管財がネオトラストを完全子会社化

譲渡企業の概要

ネオトラストは給与計算・労務管理業務の受託を中心としたBPO事業を展開している企業です。[17]

譲り受け企業の概要

日本管財は建物管理を中心事業とする企業です。[18]

M&Aの目的・背景

日本管財はグループ全体の間接業務の効率化などを目的として労務関係の手続きをシェアードサービス化する(グループ企業間の共有部門にする)ことを検討しており、その施策を推し進めるためにネオトラストを子会社化しました。

また、BPO事業をグループのサービスメニューに加えることで新たな収益基盤を創出することも目的とされています。[17]

M&Aの手法・成約

2021年8月、日本管財はネオトラストの全株式を取得して同社を完全子会社化しました。[17]

【FA×アウトソーシング】デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーがいわきテレワークセンターを完全子会社化

譲渡企業の概要

いわきテレワークセンター(現:デロイト トーマツ テレワークセンター)はコンタクトセンターサービス、調査サービス、データエントリーサービス、人材育成支援サービスなどの事業を展開している企業です。[19]

譲り受け企業の概要

デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーはM&Aアドバイザリーとクライシスマネジメントサービスを中心とした事業を展開している企業です。[20]

M&Aの目的・背景

デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーは、近年クライシスマネジメントサービスなどで求められることの多いコールセンター機能を強化するとともに、BPOサービスをグループのサービスラインナップに加えることを目的として、いわきテレワークセンターの子会社化を行いました。[20]

M&Aの手法・成約

2021年5月、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーはいわきテレワークセンターの全株式を取得して同社を完全子会社化しました。[20]

【RPA×アウトソーシング】モンスターラボがフィリピンのmyBOSSを子会社化

譲渡企業の概要

myBOSSはスタートアップ・中小企業向けに財務・バックオフィス業務のBPOサービスや事業分析・市場調査に基づくソリューションサービスを展開しているフィリピンの企業です。[21]

譲り受け企業の概要

モンスターラボは世界各国に拠点を置きDX推進支援やデジタルプロダクトの開発などを行っている企業です。[22]

M&Aの目的・背景

フィリピン企業に広範な顧客ネットワークを有するmyBOSSのサービスにモンスターラボのRPAを導入することで、同地域における中小・スタートアップ支援の仕組みを拡大していくことを目的としています。[21]

M&Aの手法・成約

2019年10月、モンスターラボはmyBOSSへの出資を行い同社の子会社化を行いました。[21]

M&A・事業承継
システム開発会社のM&A動向と事例30選【2021年最新版】

システム開発業界は人材不足の慢性化やクラウド化の進展により過渡期を迎えており、M&Aが活発化しています。近年のシステム開発業界の動向と、システム開発会社の最新M&A事例を厳選して30例お伝えします。(執筆 […]

【情報通信×アウトソーシング】多摩川ホールディングスがナビックと資本業務提携

譲渡企業の概要

ナビックは無線ブロードバンド環境構築のアウトソーシングサービスを展開している企業です。[23]

譲り受け企業の概要

多摩川ホールディングスは高周波無線技術の開発や再生可能エネルギー設備導入などの展開している多摩川グループの持株会社です。

M&Aの目的・背景

多摩川グループの多摩川電子とナビックの協働により、ローカル5G通信サービスの機器開発から運用までを一気貫通に実現する体制を構築し、とくに病院・ホテルなどをターゲットとしてローカル5G関連サービスの提供を拡大していくことを目的としています。[23]

M&Aの手法・成約

2020年8月、多摩川ホールディングスとナビックの間で資本業務提携契約が締結されました。
公表された予定によれば、同年9月にナビックによる第三者割当増資が行われ、多摩川ホールディングスが5,000万円でナビックの新株式を取得し、保有比率9.0%の株主となっています。[23]

【モバイル・IT機器販売×アウトソーシング】ティーガイアがPCテクノロジーを完全子会社化

譲渡企業の概要

PCテクノロジーはPC購入ユーザー・PC販売店向けのコールセンターサービスや、IT機器メーカー向けの営業・技術支援サービスなどを展開している企業です。[25]

譲り受け企業の概要

ティーガイアは携帯電話・モバイル機器の大手販売代理店で、情報通信ソリューション提供事業やプリペイド決済事業なども展開しています。[26]

M&Aの目的・背景

モバイル端末・IT機器のライフサイクルマネジメントに対応できるヘルプデスク事業を拡大することを目的として、ティーガイアは2017年からPCテクノロジーと資本業務提携を行っており、これをさらに強化するために株式の追加取得による完全子会社化を行いました。[26]

M&Aの手法・成約

2017年にティーガイアはPCテクノロジーの株式の40%を取得して同社と資本業務提携を開始しました。
さらに2019年3月、60%の株式を追加取得して同社を完全子会社化しました。[26]

M&A・事業承継
コールセンターのM&A動向や最新事例、売却価格の相場

コールセンター業界では、人材確保や経営の安定化を目的としたM&Aが活発に行われています。コールセンターがM&Aを行うメリットや売却価格の相場、最新事例、M&Aが成功しやすくなるコツを徹底解説します […]

アウトソーシング社のM&A事例

株式会社アウトソーシングは非常に積極的なM&A戦略により事業を拡大してきた大手人材派遣・BPO企業です。
製造業中心のBPO事業から出発して非製造業、サービス業、政府・公共系セクターへと事業対象領域を拡大し、2020年末現在、35か国210連結子会社からなるグループを形成しています。[27]

2021年1月~9月に限っても、下表のように多数のM&Aを実施しています。[28]~[36]

2020年4月から7月にかけては、M&A・事業承継プラットフォーム「ビズリーチ・サクシード」上で売り手企業の公募も行っています。[37]

譲渡企業(事業概要)

M&Aの目的

M&A手法

エス・エス産業

(製造業向け人材派遣・請負・人材紹介、外国人労働者を活用した請負)

愛知・九州エリアの対応力強化、外国人労働者・習熟作業者の活躍領域の拡大

全株式取得

アイルランド Cpl Resources plc

(アイルランド最大の人材派遣・アウトソーシング企業)

優良かつ広範な顧客基盤や幅広い人材サービスの取り込み、欧州を初めとしたグローバル市場での事業規模拡大・ポートフォリオ拡充

全株式買付(取得価額約389億円)

豪州 HorizonOne Recruitment Pty Ltd

(連邦政府を初めとする公共セクターへの人材派遣)

景気変動などの影響を受けにくい公共系アウトソーシング分野の事業拡大、シドニーなどに比べて手薄であったキャンベラ地域にけるシェア拡大

現地子会社による全株式取得

セレクトスタッフグループ

(物流系・食品工場系企業などへの人材派遣)

九州エリアの対応力強化、コロナ禍の影響を受けにくい物流系分野などの事業拡大、管理面のシステム化による買収対象企業の成長加速

全株式取得

新生産業

(正社員による人材派遣・請負)

新潟エリアの対応力強化、製造派遣領域での事業拡大

全株式取得

米国グアムCalifornia Pacific Technical Services LLC

(米軍・地方政府・通信企業向けのIT・弱電設備システム構築)

公共系アウトソーシング事業の拡大、グアム地域でのIT・弱電設備市場への参入、環太平洋地域・米国本土での展開も視野に入れた米軍施設向け事業の成長加速

現地子会社による全株式取得

米国 Integrity Networks, Inc.

(米国内民間企業・公共企業・政府機関向けIT・弱電設備システム構築)

公共系アウトソーシング事業の拡大、弱電設備事業の優位性向上、環太平洋地域・米国本土での展開も視野に入れた米軍施設向け事業の成長加速

現地子会社による全株式取得

ISC就職支援センター

(製造系・物流系企業などへの人材派遣)

茨城エリアの対応力強化、グループ内連携による人材流動化、コロナ禍の影響を受けにくい物流系分野などの事業拡大

全株式取得

M&A・事業承継
M&A成功事例40選 大企業・中小企業・業界別|2021年版

今回は大企業・中小企業別、業界別に厳選したM&A事例40選を紹介します。国内・海外の大企業事例から中小企業事例まで、譲渡・譲り受け企業の概要、M&Aの目的・M&A手法、成約に至るまでを解説します。 […]

[1] 当社連結子会社による株式取得(孫会社化)に関するお知らせ(リスクモンスター)
[2] 沿革(フォリウム)
[3] 子会社株式の譲渡及び特別損失の発生に関するお知らせ (リアルワールド)
[4] IT関連立地企業インタビュー 株式会社フォリウム(青森県産業立地ガイド)
[5]トゥルージオ株式会社およびノーザンライツ株式会社の企業統合に関するお知らせ(フォリウム)
[6] 株式会社シー・ワイ・サポートの株式取得(子会社化)に関するお知らせ (インバウンドテック)
[7] 事業紹介(インバウンドテック)
[8]2022年3月期 第1四半期報告書(インバウンドテック)
[9] 株式会社スマートロボティクスの株式取得に関するお知らせ(アウトソーシングテクノロジー)
[10] ビジネス(アウトソーシングテクノロジー)
[11] ヒトとロボットの正しい共創が、日本の働き方を劇的に改善する(Forbes)
[12] 株式会社アウトソーシングテクノロジー、株式会社DYMとの資本業務提携に関するお知らせ(アウトソーシングテクノロジー)
[13]ロジックイノベーション株式会社の株式取得(子会社化)に関するお知らせ(アシードホールディングス)
[14] 会社概要(アシードホールディングス)
[15] メリービズ株式会社の株式取得(持分法適用関連会社化)に関するお知らせ(芙蓉総合リース)
[16] ミナソルをグループ化 アウトバウンドに強みを持つミナソルの提案力で『家まるごと・オフィスまるごと』サポートを強化(日本PCサービス)
[17] 株式会社ネオトラストの株式取得(子会社化)に関するお知らせ (日本管財)
[18] サービス(日本管財)
[19] コーポレート情報 デロイト トーマツ テレワークセンター株式会社(デロイト トーマツ)
[20] デロイト トーマツ、いわきテレワークセンターの全株式を取得(デロイトトーマツ)
[21] フィリピンのmyBOSSを子会社化いたしました(モンスター・ラボ)
[22] サービス(モンスターラボ)
[23] 株式会社ナビックとの資本業務提携に関するお知らせ(多摩川ホールディングス)
[24] 多摩川グループ(多摩川ホールディングス)
[25] PC テクノロジー株式会社の株式追加取得による完全子会社化に関するお知らせ(ティーガイア)
[26] 事業案内(ティーガイア)
[27] 統合報告書2021(アウトソーシング)
[28] 株式会社エス・エス産業の株式取得(子会社化)に関するお知らせ(アウトソーシング)
[29] アイルランド Cpl Resources plc の買収提案に関するお知らせ (アウトソーシング)
[30] アイルランド Cpl Resources plc の買収手続き完了に関するお知らせ (アウトソーシング)
[31] 豪州 HorizonOne Recruitment Pty Ltd の株式取得(子会社化)に関するお知らせ(アウトソーシング)
[32] 株式会社セレクトスタッフの株式取得(子会社化)に関するお知らせ(アウトソーシング)
[33] 株式会社新生産業の株式取得(子会社化)に関するお知らせ(アウトソーシング)
[34] 米国グアム California Pacific Technical Services LLC の子会社化に関するお知らせ (アウトソーシング)
[35] 米国 Integrity Networks, Inc.の子会社化に関するお知らせ(アウトソーシング)
[36] 株式会社ISC就職支援センターの子会社化に関するお知らせ(アウトソーシング)
[37] 公募特集 株式会社アウトソーシング(ビズリーチ・サクシード)

まとめ

アウトソーシングはBPOとしてビジネスの全体最適化を担う存在となり、アウトソーシング業界の市場規模は拡大を続けています。

そうしたなか、アウトソーシング企業はサービス提供分野の拡大やサービスの高度化、人材獲得・採用強化などを目的として活発なM&Aを展開しています。
一般企業がアウトソーシング企業をグループ内に取り込み全体最適化を図ろうとする動きも盛んです。

人とAI・ロボットの協働を初めとして、アウトソーシング業のあり方は今後さらに多様化していくと予想され、M&Aもますます活発化していくものと見られます。

(執筆者:相良義勝 京都大学文学部卒。在学中より法務・医療・科学分野の翻訳者・コーディネーターとして活動したのち、専業ライターに。企業法務・金融および医療を中心に、マーケティング、環境、先端技術などの幅広いテーマで記事を執筆。近年はM&A・事業承継分野に集中的に取り組み、理論・法制度・実務の各面にわたる解説記事・書籍原稿を提供している。)