フィリピン企業と日本企業のマッチング。難しい海外案件をM&Aプラットフォームを活用して成功させた秘訣とは

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    • 案件:フィリピン/水産加工会社
    • FA: 株式会社エスネットワークス
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    企業: 関東地方/投資会社

会計・財務のプロフェッショナルとして、国内外の企業を支援するグローバル・コンサルティングファームの株式会社エスネットワークス。長期的にお客様と関係構築をするのが強みの同社が、今回ビズリーチ・サクシードを活用して買い手企業を募り、フィリピンの売り手企業と日本の買い手企業とのM&Aに成功されました。財務諸表が不明瞭で日本企業とのM&Aが難しいとされる東南アジアの企業を、いかにしてマッチングさせたのか、M&Aアドバイザリーグループ・ディレクターの佐藤憲氏にお話を伺いました。

長期的にお客様に寄り添うエスネットワークスのDNAを持ったM&Aアドバイザリーグループ

ーー:エスネットワークスの事業内容と強みについて教えてください。

経営視点で企業の持続的成長を支援する会計・財務のプロフェッショナル集団です。1999年の創業時は会計事務所としてIPO を中心に支援しており、財務周辺の課題抽出から現場での実行までを担う、常駐型コンサルティングで成長してきました。

リーマンショック以降は、事業再生や事業承継などの需要が増えたことを受け、経営に関わるさまざまな課題を解決するように。常駐型支援でお客様に寄り添いながら事業とコンサルティングの幅を広げ、日本発のアジア・グローバル・コンサルティングファームとして多くの企業との信頼関係を築いてきました

そのなかで、私がM&Aアドバイザリーサービスを立ち上げたのは2015年。経営課題を解決する過程で、M&Aの実務支援は古くから実行していましたが、売り手と買い手双方により価値あるM&Aを創出したいと考えたのです。そのため、成約までの一時的な関係性を構築するのではなく、成約後に企業価値が向上するよう「長期的」にお客様に寄り添い、支援しています。

 

ーービズリーチ・サクシードを活用しようと思った理由を教えてください。

活用の決め手になったのは、無料でサービスを利用でき、買い手企業の登録数が多かったこと、そしてサポートが手厚く安心感があったことです。当時は他にもM&Aのマッチングプラットフォームはありましたが、ビズリーチ・サクシードなら自分たちでは探しきれない買い手企業との出会いがあるかもしれないと、可能性を感じて使い始めました。

フィリピンに進出したい飲食系投資会社と、フィリピンの水産加工会社が出会う

ーー:今回、日本の投資会社とフィリピンの水産加工会社のマッチングが実現されました。成約につながった経緯を教えてください。

ビズリーチ・サクシードを使い始めた頃、試しにニッチな業界など比較的マッチングが難しい案件をいくつか載せてみたところ、成約にはつながらなくても複数社からのお問い合わせはいただけたんですね。そこで日本企業とのマッチングが難しい海外案件にも可能性があるかもしれないと思って、フィリピンの水産加工会社を掲載しました。

オーナーはフィリピンと日本に拠点を持つ日本の方で、このまま単体での経営は難しいから、他社の力を借りて成長させられるならば、それが望ましいと考えていました。日本にも会社を持っているためフィリピンの会社からの引退も視野に入れていましたが、できれば一緒に成長させたいと。

しかし、海外の案件は日本企業からのニーズは少なく、かつフィリピンの水産加工会社は小規模です。マッチングが難しい条件が揃っていたのですが、我々には思いもつかなかった企業から早いタイミングで連絡をいただきました。 


ーー:買い手企業にはどのようなニーズがあったのでしょうか。

買い手企業は外食産業の投資会社で、加工メーカーや物流企業に投資してサプライチェーンをマネジメントされていました。これからアジア展開、特にフィリピンへの進出を考えて提携先を探していたところに、フィリピンの水産加工会社がヒット。ビジネス領域も進出したい国もマッチしているという、奇跡的な出会いでした。

一方で、オーナーは買い手が投資会社ということもあり、M&A後の想像ができずに不安があったので、何度も話し合いや会食の場をコーディネートしました。買い手企業が実現させたいのは、フィリピンの商慣習がわかり人脈もあるオーナーを中心に、フィリピンから海外展開を進めること。オーナーは求められている役割と価値の大きさに共感し、最終的には「相思相愛だ」とおっしゃっていました。

海外特有の「不明瞭な財務状況」を見える化。現地でM&A前後をサポート

ーー:お互いのニーズがマッチしたことで、成約まではスムーズに進んだのでしょうか。

いえ、これは東南アジアの企業全般に言えることですが、日本企業のように財務諸表がきちんと作られていないことも多く、実際にどれくらいの売上があるのかなど、会社の財務状況が見えづらいです。

そこで、財務状況を明確にするために、社内のフィリピン人のメンバーも含めて現地を何度か訪問し、決算書の作成をサポートしました。ようやく会社の状況が見えてきて「この内容なら検討を進められそうだ」と判断できたのは、調査を開始して数ヶ月が経った頃。

ただ、それでも海外案件はリスクを完全にクリアにはできません。その点、今回の買い手企業はそういった海外事情を理解していたため、最低限の条件である「収益性」が見える化できたタイミングで「この先はM&A後に一緒にクリアにしていきます」と意思決定されて成約につながりました。

今後は、社内のフィリピン人のメンバーが、財務を中心とした管理体制を整えるための長期的なサポートに入ります。このサポート体制をグローバルで持っていることがエスネットワークスの強みです。

難しい海外M&Aでもしっかりと現地で財務状況をクリアにして日本企業が検討できる状態まで持っていき、M&A後も長期的にサポートする。海外案件を拡大できるポテンシャルはあると自負しているので、今後も海外企業と日本企業のマッチングを増やしたいと考えています。

一緒にビズリーチ・サクシードを盛り上げて、より良い出会いを創出したい

ーー:今回、ビズリーチ・サクシードを活用してどんな感想をお持ちになったでしょうか。

サポート体制がとても手厚かったので、非常に助かりました。新しいツールを導入するときの障壁と同じで、サポートがなかったら継続して利用できなかったかもしれません。継続利用できたことで海外案件の成約につながり、その実績から今では全社的にビズリーチ・サクシードを活用するようになりました。

そもそも、自分たちだけで最適な買い手企業を探すのには限界があります。でもビズリーチ・サクシードを使うと、ネットワーク外の企業や、接点があっても売り手企業に興味を持つことが想像できなかった企業から連絡をいただけるという、新しい発見がたくさんありました。

こうした意外な組み合わせの方が、M&A後に発展する可能性が大きいと思っているので、今後もビズリーチ・サクシードを通じて、奇跡的な出会いがたくさん生まれると嬉しいです。

このプラットフォームが盛り上がるか否かは、ファイナンシャル・アドバイザー(FA)である我々の影響は少なくないと思っています。今後は優良な案件を積極的に掲載していきたいと思います。魅力的な売り手企業が増えることで、確実に買い手企業は増えるはず。それが良い出会いの創出につながれば、こんなに素晴らしいことはありません。

事業を成長させたいのに資金や人材面で苦労されている企業や、黒字なのに後継者がいなくて困っている企業など、国内外の企業を支援するためにも、一緒にM&Aの市場を盛り上げたいと思っています。