【M&A事例】1人で運営していたIT系情報サイトの売却益を、新規事業の準備資金に。交渉から契約までリモートで完結

  • 譲渡
    企業:株式会社Choisee
    事業概要:ガジェット・IT系ツールのレビューメディアの運営
    本社所在地: 宮城県
    譲渡理由: 事業の選択と集中のため
    事業譲渡
    譲り受け
    企業: Web関連会社
    事業概要:Webサイト制作、オウンドメディア制作・運営、システム開発など 
    本社所在地: 大阪府

宮城県仙台市に拠点を置く、株式会社Choisee。2016年から運営していたIT系コンテンツを配信するオウンドメディアをリモート交渉で大阪の企業に売却し、現在はホームページ制作やWeb集客コンサルティングなどの新規事業に着手されています。

「1人の会社の一つの事業でもM&Aは成立するし、新しいことに挑戦するためのキャッシュフローとして、M&Aは良い選択肢だった」と語る代表の川原遼太郎氏に、今回のM&Aについて振り返っていただきました。

 

新しい事業を始めたくてもできないジレンマから、売却を検討

――運営されていたオウンドメディアの特徴や強みと、売却に至った背景について教えてください。

強みは、ITという一つのジャンルに特化していたことです。もともとプログラマでガジェットに触れる機会が昔から多かったこともあり、いろんなITツールや新商品を購入しては、自分で試して記事化していました。

この専門性の高さから検索エンジンであるGoogleからの評価は高く、また他メディアの被リンクも多かったのは大きな特徴。広告に頼らない、SEO対策100%で純利益を上げているという強みがありました。

ただ、Choiseeは私一人の会社だから、次のステップに進みたい、新しい事業を始めたいと思っても、メディアの運営以外何もできなくなったんですね。コンテンツ作りも運営も1人でやっていたので、記事が500以上溜まるとメンテナンスで手一杯に。それに、最近のGoogleの動向に個人で対応するのが難しくなりつつありました。

その頃、複数社からM&Aに関するダイレクトメールが届くようになったんです。そもそもメディアが企業に売却できると思っていなかったのですが、もし、複数人で運営できるチームに譲渡できるなら検討したいと思い、試しに2〜3社に依頼してみました。

しかし、思うようなレスポンスではなく、時間ばかりかかって売却できる気がしなかったんですね。これなら仲介を挟まずに、自分で買い手企業を探せるプラットフォームを見つけた方がいいのではないかと検索したところ、ビズリーチ・サクシードにたどり着きました。

 

オファーが来てから成約まで2ヶ月。交渉や契約はすべてリモートで完結

――実際、ビズリーチ・サクシードで譲り受け企業はすぐに見つかりましたか?

Web界隈で有名な企業や、メディアとは関係ない企業など10社以上からオファーをいただいて、メディアを求める企業が多いことに驚きました。しかも、売り手(譲渡企業)と買い手(譲り受け企業)の間にワンクッションを挟まない「直接交渉」ができたから、自分の意思を伝えやすかった。それに、仲介会社の場合は1社ずつしか話ができませんが、ビズリーチ・サクシードの場合は同時に複数社と話ができたのも良かったですね。

今回、譲り受け企業となったのは、複数メディアを運営している大阪の企業です。私の要望であった、複数人できちんと運営できる体制が整っており、さらに金額面も納得いくものでした。

仙台と大阪という物理的距離はありましたが、交渉はもちろん契約も含めてすべてリモートで完結させたので、募集から2ヶ月もかからずに売却できたのはありがたかったです。自分で探せることと、直接やり取りができることが、速いスピードにつながったのだと思います。

契約後は、アフターサポートとして6ヶ月間、先方の運営チームとチャットツールでつながってサポートし、約4年間育ててきたメディアを無事引き継ぐことができました。

 

――1人で運営しているメディアでも、企業に引き継げた秘訣は何だったと思いますか?

それは、メディアに自分の色を出さなかったからだと思います。最初からM&Aを視野に入れていたわけではありませんが、何かがあったときのために自分の色を出さないように作っていたんですね。結果、企業に継承しても違和感のないメディアとして成長したのが秘訣につながったのだと思います。

 

売却で得た資金で、新たな事業に着手

――今回事業譲渡をして良かったことを教えてください。

次の事業を始めるにあたっての準備資金ができたことです。私の性格上、新規事業を始める際に、銀行に行って融資してもらうのは避けたかったんですね。だから、なかなか新しいことを始められずにいました。それが、M&Aによってメディアを継承できた上に、まとまった資金を得られたのはメリットでしかないと思っています。

売却以降、次の挑戦を具体的に考えられるようになり、現在はノーリスクで新規事業を立ち上げました。気持ち的にもすごく楽でしたよ。

 

――どのような事業を始めたのでしょうか?

現在は、Web集客を目的としたホームページを制作する事業「みちのくWEB」をスタートさせています。きっかけは、ホームページを作るのに数百万円をかけているのに、集客につながらない、検索エンジンの上位にもいかない企業が、非常に多いことに気づいたからです。

実際、すでに複数社のホームページを、集客ができて自分たちで育てていけるように作り直しました。ホームページは作って終わりではなくて、作ってからが重要です。

それに、せっかく作るなら集客できるホームページを持つべきなので、ホームページを生かしきれていない、集客につながっていない企業のお役に立ちたいと考えています。

この他にも、2つほど準備中の事業があります。残念ながらまだサービスを公開できていませんが、事前準備がそろそろ終わりそうなので2020年内には公開できると思います。さまざまな分野で活用できる事業なので、現在は多くのリソースをそちらに割かれている状況ですね。

 

M&Aに大切なのはスピード。「鉄は熱いうちに打て」

――今回は、1人で運営しているメディアでもM&Aが成立する良い事例だと思いました。これからM&Aを検討する方に向けてメッセージをお願いします。

M&Aには企業を丸ごと譲渡するイメージがありましたが、一つのメディアでもM&Aが成立するんだという気づきを得られたのは良かったし、これは一つのキャッシュフローとしてすごくいいなと思っています。

今回、私はM&Aの成功体験を得たので、新しく始めた事業も軌道に乗って成長したら、M&Aで他社に引き継ぐ選択肢を視野に入れると思います。そして、また次の新しい事業を立ち上げる。新しいことに身軽に挑戦できるようになるので、1人で事業を運営している方もM&Aは選択肢の一つとして持っておくことをお勧めしたいですね。

それから、M&Aにはスピードがすごく大事であることも伝えたいです。「鉄は熱いうちに打て」というように、買い手企業も時間が空くと気持ちが揺らぎます。人任せにして相手の気持ちが変わってしまっては勿体無いですし、時間をかけたことでいろんな要因から売上が下がってしまえば、M&Aが不成立になる可能性もあります。

だから、M&Aを検討する方は、主体的に買い手企業と交渉することで、お互いにハッピーになるM&Aを実現させて欲しいです。

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