【M&A事例】小規模でも売り主が大切に育てた事業、Webサイトと既存事業の相性を考え抜いた2件の成約事例とは

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    • 案件:英会話スクールの比較サイト
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全国の中小・中堅企業、小規模事業者からの、さまざまなM&Aニーズに対応しているAIGATE株式会社。銀行や大手のM&A仲介会社には費用の関係から相談できない事業者も、安心して相談できることが特徴です。

そんな同社で、2019年1月よりM&Aアドバイザーに就任した尾身桃香氏は、ビズリーチ・サクシードを活用して2020年の1月と2月に、2ヶ月連続で2件のM&Aを成約させました。どのようなニーズの企業をどのようにマッチングさせたのか。お話を伺いました。

英会話スクールの比較メディアを3ヶ月で譲渡

――尾身さんはどのような事業に携わっているのかを教えてください。

私はIT領域に特化したM&Aの仲介業に従事しており、主にWebサイトやECサイト、受託開発、SESの会社を中心にM&Aのお手伝いをしています。特徴的なのは、大手M&A仲介企業が参入しない小規模案件でも、工数をかけてお客様に寄り添っていること。「赤字だから、債務超過だから、どこに相談していいかわからない」といった企業にもご相談いただいています。

特に多いのはWebサイト単体の売却相談で、数十万円、数百万円規模の案件も少なくありません。今回成約した2社の企業さんも、Webサイトの売却を希望されていました。

 

――具体的に、どのような事例だったのかを教えてください。

まず1つ目が、「英会話スクールの比較メディア」の譲渡案件です。売主さんは別の企業にも在籍しているため、英会話スクールの比較メディアになかなか工数を割けないとのこと。ただ、思い入れのある事業だから価格も重視したいし、きちんと引き継いでくれる企業を見つけたい、と相談を受けました。

そこで、幅広く買い手企業を探すべく、ビズリーチ・サクシードに掲載すると、翌日にはオンライン英語辞書などを運営する企業から連絡をいただきました。既存事業との親和性が非常に高いですし、そもそも新規事業で英会話のWebサイトを立ち上げたいと考えていたとのことで、話はトントン拍子で進んでいきました。

ところが、外的要因によって売主さんのWebサイトへのアクセスが一時的に下がってしまったんですね。こうした場合、譲り受けが見送りになってしまうケースもあるのですが、買い手企業は1ヶ月の様子見期間を設けたものの、「外的要因はM&A後も受けるものだから」と、ずっと買収の意向を持ち続けてくれていました。

しかも、Webサイトの価値だけでなく、売主さんの知見や経験を加味して買収価格を提示してくださったんです。最終的には売主さんにご相談いただいてから3ヶ月で円満な事業譲渡が実現。売却後は、売主さんが買い手企業に出向いて引き継ぎをされており、M&Aをきっかけにとてもいい関係性を築かれています。

 

Webをゼロから説明し、不動産情報メディアを譲渡

――同時進行でもう1件成約されていますが、それはどういったM&Aだったのでしょうか。

いくつかのWebサイトを運営している事業会社から、子会社が運営している「不動産情報メディア」を売却したいと相談を受けました。そこで、買い手企業を見つけるべくビズリーチ・サクシードを活用。

スピードを重視するため、掲載してすぐに「案件提案機能」を使ってビズリーチ・サクシードから買い手企業を数社提案してもらい、こちらからアプローチしました。そこで前向きなお返事をいただいたのが、不動産仲介を行っている会社です。

ただ、Webに対する知見がなかったため、Webについてゼロから説明して、どんなシナジーを生めるのかを提案するところから始まりました。

 

――Webについてゼロから説明するのは、相当な工数がかかったと思います。

数年前までは、Webに知見がある企業がWebサイトを買収するケースがほとんどでしたが、デジタルトランスフォーメーションの文脈で、Webを運営したことがない企業も買収を検討し始めるようになりました。だから弊社では、ゼロからWebについて説明するのはもちろんのこと、収益を伸ばしていくための提案や、知見のあるディレクターを紹介するなど、買収後にきちんと運営するためのサポートもしているんですね。

今回の買い手企業も例外ではなく、まずWebサイトの書籍を購入して、専門用語やサイトの仕組みから説明を始めました。普段当たり前に使っているWeb用語は伝わらないので、それをいかに噛み砕いて説明するかは工夫しましたね。とはいえ、具体的にどのようなシナジーを出せるのか、売主さんのWebサイトを活用してリード獲得につなげるとはどういうことなのかなど、仕組みを理解してもらうのに時間はかかりました。

3社面談でも、事前に買い手企業が質問したいことや、気になるであろうことを棚卸して、質問票を作成。それをベースに当日は私が売主さんに質問をして、その返答でわからないことや気になったことを買い手企業に聞いてもらうスタイルをとりました。

買い手企業には何度も足を運びましたし、工数もかかったのですが、最終的には売主さんからご相談をいただいて3週間後には買収意向を固めてくれました。

 

――ゼロスタートで3週間後に意思決定とは驚きました。成約後は、順調に運営されているのでしょうか?

売主さんが運営を委託されていた業務委託の方も一緒に引き継げたので、現在は無事に運営されています。成約前に私が提案した「Webサイトのアクセスアップの施策」も実行されていて感慨深いです。

また売主さんも売って終わりではなく、引き継ぎをしながらより事業を伸ばすための提案をするなど、買い手企業と一緒に事業の未来を考えてくれていて、良い出会いを創出できたことが本当に嬉しかったです。

 

 

 

小さな案件でも徹底して寄り添い、事業を未来につなげたい

――成約後も丁寧に寄り添っているのが、御社の魅力ですね。

仲介者として信頼いただくことが大切なので、買い手企業にも売主さんにも、とにかく入り込んで寄り添いますし、スピード感のある対応を徹底しています。どれだけ小さな案件でも、売主さんからしたら大切に育ててきた思い入れのある事業です。売って終わりではなく、引き継いだ後も事業を伸ばしてもらいたいと考える方がほとんどなので、その思いを裏切りたくはありません。

究極、我々の利益は度外視しても、目の前のお客様をハッピーにしたいから、お客様が心配に思うことや聞きにくいこともできる限り吸い上げて解消しますし、それが私の役目であり、人が介在する価値だと思っています。

 

――尾身さんが、この事業を通じて実現させたいことは何でしょうか。

事業承継は日本の社会問題です。ただ、M&A仲介会社に高額の手数料を払えずに困っている企業はたくさんいらっしゃるのが現状。そういった、他のM&A仲介会社に依頼することが難しいような、小規模な領域を丁寧にお手伝いすることで、少しでも多くの方の助けになれたらいいなと思っています。

小さな事業でも債務超過でも、弊社にはM&Aの成約事例が複数あります。実際、債務超過の事業でしたが、売主さんの経験とスキルを評価されて成約に至ったケースもありました。だからこそ、何らかの理由で事業継続が難しくなり、どこにも相談できなくて廃業を考える企業のために行動を起こし続け、一つでも多くの事業を後世につなげられたら嬉しいです。